~財産の所在の判定・「相続を放棄した者」「相続権を失った者」の意義・相続を放棄した者の財産の取得について~

税理士・不動産鑑定士の説田です。

今週も税理士法人BLUEのホームページにご訪問くださいましてありがとうございます。

確定申告期も後10日となりました。

今週は、“財産の所在の判定・「相続を放棄した者」「相続権を失った者」の意義・相続を放棄した者の財産の取得”について学んで参ります。

(財産の所在の判定) 2・2の2共-1

法第2条第2項及び第2条の2第2項に規定する「この法律の施行地にあるもの」であるかどうかは、法第10条の規定(※)により判定するのであるから留意する。

相続税法第10条(財産の所在)

次の各号に掲げる財産の所在については、当該各号に規定する場所による。

一 動産若しくは不動産又は不動産の上に存する権利については、その動産又は不動産の所在。ただし、船舶又は航空機については、船籍又は航空機の登録をした機関の所在

二 鉱業権若しくは租鉱権又は採石権については、鉱区又は採石場の所在

三 漁業権又は入漁権については、漁場に最も近い沿岸の属する市町村又はこれに相当する行政区画

四 金融機関に対する預金、貯金、積金又は寄託金で政令で定めるものについては、その預金、貯金、積金又は寄託金の受入れをした営業所又は事業所の所在

五 保険金については、その保険(共済を含む。)の契約に係る保険会社等(保険業又は共済事業を行う者をいう。第五十九条第一項及び第二項において同じ。)の本店又は主たる事務所(この法律の施行地に本店又は主たる事務所がない場合において、この法律の施行地に当該保険の契約に係る事務を行う営業所、事務所その他これらに準ずるものを有するときにあつては、当該営業所、事務所その他これらに準ずるもの。次号において同じ。)の所在

六 退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む。)については、当該給与を支払つた者の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在

七 貸付金債権については、その債務者(債務者が二以上ある場合においては、主たる債務者とし、主たる債務者がないときは政令で定める一の債務者)の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在

八 社債(特別の法律により法人の発行する債券及び外国法人の発行する債券を含む。)若しくは株式、法人に対する出資又は政令で定める有価証券については、当該社債若しくは株式の発行法人、当該出資のされている法人又は当該有価証券に係る政令で定める法人の本店又は主たる事務所の所在

九 法人税法第二条第二十九号(定義)に規定する集団投資信託又は同条第二十九号の二に規定する法人課税信託に関する権利については、これらの信託の引受けをした営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在

十 特許権、実用新案権、意匠権若しくはこれらの実施権で登録されているもの、商標権又は回路配置利用権、育成者権若しくはこれらの利用権で登録されているものについては、その登録をした機関の所在

十一 著作権、出版権又は著作隣接権でこれらの権利の目的物が発行されているものについては、これを発行する営業所又は事業所の所在

十二 第七条の規定により贈与又は遺贈により取得したものとみなされる金銭については、そのみなされる基因となつた財産の種類に応じ、この条に規定する場所

十三 前各号に掲げる財産を除くほか、営業所又は事業所を有する者の当該営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の権利については、その営業所又は事業所の所在

2 国債又は地方債は、この法律の施行地にあるものとし、外国又は外国の地方公共団体その他これに準ずるものの発行する公債は、当該外国にあるものとする。

3 第一項各号に掲げる財産及び前項に規定する財産以外の財産の所在については、当該財産の権利者であつた被相続人又は贈与をした者の住所の所在による。

4 前三項の規定による財産の所在の判定は、当該財産を相続、遺贈又は贈与により取得した時の現況による。

《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》関係

(「相続を放棄した者」の意義) 3-1 

法第3条第1項に規定する「相続を放棄した者」とは、民法第915条((相続の承認又は放棄をすべき期間))から第917条までに規定する期間内に同法第938条((相続の放棄の方式))の規定により家庭裁判所に申述して相続の放棄をした者(同法第919条第2項((相続の承認及び放棄の撤回及び取消し))の規定により放棄の取消しをした者を除く。)だけをいうのであって、正式に放棄の手続をとらないで事実上相続により財産を取得しなかったにとどまる者はこれに含まれないのであるから留意する。

(昭39直審(資)30、平17課資2-4改正)

(「相続権を失った者」の意義) 3-2

法第3条第1項に規定する「相続権を失った者」とは、民法第891条の各号((相続人の欠格事由))に掲げる者並びに同法第892条((推定相続人の廃除))及び第893条((遺言による推定相続人の廃除))の規定による推定相続人の廃除の請求に基づき相続権を失った者(同法第894条((推定相続人の廃除の取消し))の規定により廃除の取消しのあった者を除く。)だけをいうのであるから留意する。

(平17課資2-4改正)

(相続を放棄した者の財産の取得) 3-3

相続を放棄した者が法第3条第1項各号に掲げる財産を取得した場合においては、当該財産は遺贈により取得したものとみなされるのであるから留意する。

次週もよろしくお願いします。

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