~取引相場のない株式の評価上の区分・原則について~

税理士・不動産鑑定士の説田です。

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今週は「取引相場のない株式の評価上の区分・原則」について触れて参ります。

(取引相場のない株式の評価上の区分)

取引相場のない株式の価額は、評価しようとするその株式の発行会社(以下「評価会社」という。)が次の表の大会社、中会社又は小会社のいずれに該当するかに応じて、それぞれ次項の定めによって評価する。ただし、同族株主以外の株主等が取得した株式又は特定の評価会社の株式の価額は、それぞれ後述の≪同族株主以外の株主等が取得した株式≫又は≪特定の評価会社の株式≫の定めによって評価する。

(昭41直資3-19・昭47直資3-16・昭53直評5外・昭58直評5外・平2直評12外・平6課評2-8外・平10課評2-10外・平11課評2-2外・平12課評2-4外・平18課評2-27外・平29課評2-12外改正)

規模区分区分の内容総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数直前期末以前1年間における取引金額
大会社従業員数が70人以上の会社又は右のいずれかに該当する会社卸売業20億円以上(従業員数が35人以下の会社を除く。)30億円以上
小売・サービス業15億円以上(従業員数が35人以下の会社を除く。)20億円以上
卸売業、小売・サービス業以外15億円以上(従業員数が35人以下の会社を除く。)15億円以上
中会社従業員数が70人未満の会社で右のいずれかに該当する会社(大会社に該当する場合を除く。)卸売業7,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。)2億円以上30億円未満
小売・サービス業4,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。)6,000万円以上20億円未満
卸売業、小売・サービス業以外5,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。)8,000万円以上15億円未満
小会社従業員数が70人未満の会社で右のいずれにも該当する会社卸売業7,000万円未満又は従業員数が5人以下2億円未満
小売・サービス業4,000万円未満又は従業員数が5人以下6,000万円未満
卸売業、小売・サービス業以外5,000万円未満又は従業員数が5人以下8,000万円未満

 上の表の「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数」及び「直前期末以前1年間における取引金額」は、それぞれ次の(1)から(3)により、「卸売業」、「小売・サービス業」又は「卸売業、小売・サービス業以外」の判定は(4)による。

(1)「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」は、課税時期の直前に終了した事業年度の末日(以下「直前期末」という。)における評価会社の各資産の帳簿価額の合計額とする。

(2)「従業員数」は、直前期末以前1年間においてその期間継続して評価会社に勤務していた従業員(就業規則等で定められた1週間当たりの労働時間が30時間未満である従業員を除く。以下この項において「継続勤務従業員」という。)の数に、直前期末以前1年間において評価会社に勤務していた従業員(継続勤務従業員を除く。)のその1年間における労働時間の合計時間数を従業員1人当たり年間平均労働時間数で除して求めた数を加算した数とする。

 この場合における従業員1人当たり年間平均労働時間数は、1,800時間とする。

(3)「直前期末以前1年間における取引金額」は、その期間における評価会社の目的とする事業に係る収入金額(金融業・証券業については収入利息及び収入手数料)とする。

(4)評価会社が「卸売業」、「小売・サービス業」又は「卸売業、小売・サービス業以外」のいずれの業種に該当するかは、上記(3)の直前期末以前1年間における取引金額(以下この項及び181-2≪評価会社の事業が該当する業種目≫において「取引金額」という。)に基づいて判定し、当該取引金額のうちに2以上の業種に係る取引金額が含まれている場合には、それらの取引金額のうち最も多い取引金額に係る業種によって判定する。

(注)上記(2)の従業員には、社長、理事長並びに法人税法施行令第71条≪使用人兼務役員とされない役員≫第1項第1号、第2号及び第4号に掲げる役員は含まないのであるから留意する。

(取引相場のない株式の評価の原則)

前項により区分された大会社、中会社及び小会社の株式の価額は、それぞれ次による。

(昭41直資3-19・昭47直資3-16・昭58直評5外・平6課評2-8外・平10課評2-10外・平12課評2-4外・平29課評2-12外改正)

(1)大会社の株式の価額は、類似業種比準価額によって評価する。ただし、納税義務者の選択により、1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって評価することができる。

(2)中会社の株式の価額は、次の算式により計算した金額によって評価する。ただし、納税義務者の選択により、算式中の類似業種比準価額を1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって計算することができる。

類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)×(1-L)

 上の算式中の「L」は、評価会社の前項に定める総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数又は直前期末以前1年間における取引金額に応じて、それぞれ次に定める割合のうちいずれか大きい方の割合とする。

イ 総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数に応ずる割合

卸売業小売・サービス業卸売業、小売・サービス業以外割合
4億円以上(従業員数が35人以下の会社を除く。)5億円以上(従業員数が35人以下の会社を除く。)5億円以上(従業員数が35人以下の会社を除く。)0.9
2億円以上(従業員数が20人以下の会社を除く。)2億5,000万円以上(従業員数が20人以下の会社を除く。)2億5,000万円以上(従業員数が20人以下の会社を除く。)0.75
7,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。)4,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。)5,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。)0.6

(注) 複数の区分に該当する場合には、上位の区分に該当するものとする。

ロ 直前期末以前1年間における取引金額に応ずる割合

卸売業小売・サービス業卸売業、小売・サービス業以外割合
7億円以上30億円未満5億円以上20億円未満4億円以上15億円未満0.9
3億5,000万円以上7億円未満2億5,000万円以上5億円未満2億円以上4億円未満0.75
2億円以上3億5,000万円未満6,000万円以上2億5,000万円未満8,000万円以上2億円未満0.6

(3) 小会社の株式の価額は、1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって評価する。ただし、納税義務者の選択により、Lを0.50として(2)の算式により計算した金額によって評価することができる。

来週もよろしくお願いします。

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