~各農地の評価~

税理士・不動産鑑定士の説田です。

税理士法人BLUEのホームページにご訪問くださいましてありがとうございます。

先週末地元では全国花火競技大会が開催されました。コロナ禍で3年振りの開催です。寒い時期の花火は寒くても空気が澄んでいて中々良いものです。

今回は農地の種類毎の評価について触れて参ります。

(純農地の評価)

純農地の価額は、その農地の固定資産税評価額に、田又は畑の別に、地勢、土性、水利等の状況の類似する地域ごとに、その地域にある農地の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。

(昭41直資3-19改正)

(中間農地の評価)

中間農地の価額は、その農地の固定資産税評価額に、田又は畑の別に、地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある農地の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。

(昭41直資3-19・昭45直資3-13改正)

(市街地周辺農地の評価)

市街地周辺農地の価額は、次項本文の定めにより評価したその農地が市街地農地であるとした場合の価額の100分の80に相当する金額によって評価する。

(昭41直資3-19・昭45直資3-13・昭48直資3-33・平3課評2-4外改正)

(市街地農地の評価)

市街地農地の価額は、その農地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額からその農地を宅地に転用する場合において通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を控除した金額に、その農地の地積を乗じて計算した金額によって評価する。

ただし、市街化区域内に存する市街地農地については、その農地の固定資産税評価額に地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある農地の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価することができるものとし、その倍率が定められている地域にある市街地農地の価額は、その農地の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する。

(昭41直資3-19・昭45直資3-13・昭47直資3-16・昭48直資3-33・平29課評2-46外改正)

(注) その農地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額は、その付近にある宅地について前述の(評価の方式)に定める方式によって評価した1平方メートル当たりの価額を基とし、その宅地とその農地との位置、形状等の条件の差を考慮して評価するものとする。

なお、その農地が宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額については、その農地が宅地であるとした場合において前述の(地積規模の大きな宅地の評価)の定めの適

用対象となるとき【前述の(倍率方式による評価)ただし書において(地積規模の大きな宅地の評価)の定めを準用するときを含む。)】には、同項の定めを適用して計算することに留意する。

「農地」の評価は、登記地目と課税地目とが異なる場合や航空写真等で現況地目がイメージと異なっている場合は要注意です。

その際、現地調査と農業委員会調査は外せません。差異がある場合は農業委員会の地目認定を重要視すべきと考えます。純農地や中間農地は農地法の縛りにより農業をするための有適格者でないと購入出来ません。よって農地法上の「農地」か「非農地」は価格形成の判断としてかなり重要となります。

例えば、田が埋め立てられていて整地され、砂利が敷き詰められて資材等が置かれている土地も、農業委員会が「農地」と判断した場合は「農地」としての経済価値しか認めらませんし、「非農地」との判断であれば「雑種地」としての評価となり、地域によっては単価の桁が異なって来ます。納税者に不測の損害を与えない様に慎重に調査すべきと考えます。仮に地目認定は「農地」であっても、原状回復命令は発せられない場合においても自分は「農地」水準で評価を行う方向で考えるかと思います。

市街地農地の評価の肝は宅地造成費の判断がメインとなると思います。場合によっては宅地の造成工事を行う業者から見積もりを取ることも必要かと思います。不能な場合においても自ら概算でも造成工事に必要な工程を数値化して計算を行わなければならないでしょう。何れも現地調査が必須かと思います。中々実務では時間がない中で大変な作業ですが。

税理士報酬は各会計事務所で区々かと思いますが、その土地の評価額の多寡で決めているケースが多いかと思います。市街地の宅地の計算よりは市街地農地の方が明らかに複雑です。もちろん担税力を考慮すると仕方ないかとは思いますが、作業の難度、判断の難しさは後者の方が遙かに上かと思います。まぁ現実には理解はされませんが・・・。

次週も宜しくお願いします。

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