税理士・不動産鑑定士の説田です。
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気が付けば10月後半。今年も後2ヶ月ちょっととなりました。年末に向けてしかっりと当初目標を見直し、着実に業務等を推進して参ります。
今回は実務的に定番である「借家人の有する宅地等に対する権利の評価」について簡単
に触れてみたいと思います。ポイントは“賃貸割合”となります。
(借家人の有する宅地等に対する権利の評価)
借家人がその借家の敷地である宅地等に対して有する権利の価額は、原則として、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる算式により計算した価額によって評価する。ただし、これらの権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域にあるものについては、評価しない。
(平3課評2-4外・平6課評2-2外・平11課評2-12外改正)
(1)その権利が借家の敷地である宅地又はその宅地に係る借地権に対するものである場合
(2)その権利がその借家の敷地である宅地に係る転借権に対するものである場合
さて、ここで言う「賃貸割合」とは何を言っているのでしょうか?「賃貸割合」とは、貸し出されている部屋の割合です。部屋が全て貸し出されている場合は100%、貸し出されている部屋がない場合は0%となります。
国税庁の質疑応答事例の「貸家建付地等の評価における一時的な空室の範囲」にその説明があります。
(説明)
1 取扱いの概要
借家権の目的となっている家屋は貸家として、その貸家の敷地の用に供されている宅地は貸家建付地として評価することとなり、それらの価額は、上記の算式(略)により評価します。
これら算式における「賃貸割合」は、その貸家が構造上区分された数個の部分(各独立部分)からなっている場合において、次の算式により算定します。
賃貸割合=Aのうち課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計(B)÷その貸家の各独立部分の床面積の合計(A)
この割合の算定に当たって、継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる各独立部分がある場合には、その各独立部分の床面積を、賃貸されている各独立部分の床面積(B)に加えて賃貸割合を計算して差し支えありません。
2 「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる」部分の範囲
アパート等の一部に空室がある場合の一時的な空室部分が、「継続的に賃貸されてきたもので、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められる」部分に該当するかどうかは、その部分が、
1.各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものかどうか、
2.賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われたかどうか、
3.空室の期間、他の用途に供されていないかどうか、
4.空室の期間が課税時期の前後の例えば1ケ月程度であるなど一時的な期間であったかどうか、
5.課税時期後の賃貸が一時的なものではないかどうか
などの事実関係から総合的に判断します。
と記載されております。
家作・貸家(一軒家)の類いは課税時期に空き家であれば賃貸割合0%。
アパート・テナント等は課税時期に募集をかけており、直ぐにでも貸せる状況にあることを前提とし、上記で空室の期間は1ヶ月とは記載されておりますが、判例等ではまちまちあり、個人的には申告期限までに埋まれば良いのでは?と考えております。
ここら辺は税務署・担当官でも対応が分かれる処かと思います。何れにしても空室でないと判断した具体的理由は申告書に記載すべきと考えます。
次週も宜しくお願いします。
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