税理士・不動産鑑定士の説田です。
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先週末の日本国中を揺るがすショッキングな出来事を経ての参議院選挙も終わり、一旦は一段落ですが、我が国や世界の行く末に関しては中々不安定な感じは拭えません。
しかしながら粛々と日々の業務を遂行して参りたいと思います。
今回は「余剰容積率の移転」について触れたいと思います。
(余剰容積率の移転がある場合の宅地の評価)
余剰容積率を移転している宅地又は余剰容積率の移転を受けている宅地の評価は、次に
掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。
(平3課評2-4外追加、平11課評2-12外改正)
(1)余剰容積率を移転している宅地の価額は、原則として、前述までの定めにより評
価したその宅地の価額を基に、設定されている権利の内容、建築物の建築制限の内容等
を勘案して評価する。
ただし、次の算式により計算した金額によって評価することができるものとする。
A×(1-B÷C)
上の算式中の「A」、「B」及び「C」は、それぞれ次による。
「A」=余剰容積率を移転している宅地について、前述までの定めにより評価した価額
「B」=区分地上権の設定等に当たり収受した対価の額
「C」=区分地上権の設定等の直前における余剰容積率を移転している宅地の通常の取引
価額に相当する金額
(2)余剰容積率の移転を受けている宅地の価額は、原則として、前述までの定めによ
り評価したその宅地の価額を基に、容積率の制限を超える延べ面積の建築物を建築する
ために設定している権利の内容、建築物の建築状況等を勘案して評価する。ただし、次
の算式により計算した金額によって評価することができるものとする。
D×(1+E÷F)
上の算式中の「D」、「E」及び「F」は、それぞれ次による。
「D」= 余剰容積率の移転を受けている宅地について、前述までの定めにより評価した
価額
「E」= 区分地上権の設定等に当たり支払った対価の額
「F」= 区分地上権の設定等の直前における余剰容積率の移転を受けている宅地の通常
の取引価額に相当する金額
(注) 余剰容積率を有する宅地に設定された区分地上権等は、独立した財産として評価
しないこととし、余剰容積率の移転を受けている宅地の価額に含めて評価するも
のとする。
(余剰容積率を移転している宅地又は余剰容積率の移転 を受けている宅地)
前記の「余剰容積率を移転している宅地」又は「余剰容積率の移転を受けている宅地」
とは、それぞれ次のものをいう。
(平3課評2-4外追加、平11課評2-12外改正)
(1) 「余剰容積率を移転している宅地」とは、容積率の制限に満たない延べ面積の建築物が存する宅地(以下「余剰容積率を有する宅地」という。)で、その宅地以外の宅地に容積率の制限を超える延べ面積の建築物を建築することを目的とし、区分地上権、地役権、賃借権等の建築物の建築に関する制限が存する宅地をいう。
(2) 「余剰容積率の移転を受けている宅地」とは、余剰容積率を有する宅地に区分地上権、地役権、賃借権の設定を行う等の方法により建築物の建築に関する制限をすることによって容積率の制限を超える延べ面積の建築物を建築している宅地をいう。
都心のエリアでは、余剰容積率の売買がなされており、通常の建蔽率や容積率では建築
不能な高層な建物が多く見られます。税法でもそれらの実態を反映した評価を行うため、
これらの財産評価の通達が加えられたものと思われます。我々のエリアではレアケースで
すが。実際の計算(上記「C」や「F」)はかなり難儀となると思います。
次週も宜しくお願いします。
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