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去る令和3年12月に関東信越国税局が、令和2年分における相続税の申告実績の概要を発表しました。年度での集計のため、やや古いのですが、最近の相続税申告の趨勢を反映しているデータとしてご報告したいと思います。
令和2年分における被相続人数(死亡者数)は203,560 人(前年対比99.3%)でした。そのうち相続税の申告書の提出に係る被相続人数は16,314 人(同103.8%)で、その課税価格の総額は2兆308 億円(同103.5%)、申告税額の総額は2,213 億円(同104.5%)でした。この課税割合は8%であり、100人亡くなった内の8名が相続税の申告がなされたと言うことになります。下記のグラフをご覧下さい。
年々お亡くなりになる方が増えている中で、突然平成27年から相続税の申告する人数が増えました。これは平成25年度税制改正により相続税の基礎控除額が、「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」であったのが、平成27年1月1日以降の相続に関しては「3,000万円+600万円×法定相続人数」となったことが大きいと思われます。
前述の課税割合も改正前までは4%弱で推移していたものが、平成27年からは7%台前半から後半に推移し、現在の8%になったことからも窺えます。
発表された数値から茨城県内の情報を分析してみました。税務署別の課税価格の多寡が分かりましたが、かつてのトップであった水戸署(47,026,023千円)を抜いて土浦署(55,995,723千円)が上回りました。遺産の内訳が大半が土地建物の不動産(約44%)であり、令和3年地価公示茨城県ランキング(参考資料)を見ても明白でありますが、つくばエクスプレス開業に伴う土浦署管内のつくば市と水戸市の地価の乖離によるものが大きいと推定されます。
【参考資料 住宅地】
1 つくば市竹園1丁目8番2 210,000
2 つくば市竹園2丁目13番19 174,000
3 守谷市ひがし野1丁目6番16 159,000
4 つくば市千現1丁目18番1 125,000
5 つくば市春日2丁目15番5 114,000
6 守谷市百合ケ丘3丁目字土塔前2661番19 113,000
7 守谷市本町字新町504番8 111,000
8 守谷市けやき台5丁目13番7 107,000
9 水戸市備前町5-5 105,000
10 つくば市天久保1丁目8番12 99,400
基礎控除額が下がったことにより相続税を納める方が倍になりました。かつては対岸の火事であった相続税ですが、多くの方に対象が拡がりつつある税目であり、仮に申告が不要な場合においても“遺産分割”は大きなテーマとなります。
是非ご自分の財産の今後について関心をお持ち頂ければと思います。
出典「令和2 年分 相続税の申告事績の概要」令和3年12 月 関東信越国税局より一部抜粋。
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