税理士法人BLUEのホームページにご訪問くださいましてありがとうございます。税理士・不動産鑑定士の説田です。
令和4年1月11日に税理士法人BLUEがスタートして一週間が経過しました。あっという間です。
今までの経験に基づき相続において大事と思う点は、具体的遺産の分割に際して所謂「争続」を避けることと、納税資金の確保という2点ではないかと考えております。今日のコラムにあたっては特に遺産分割についてお伝えしようと思っております。
自分は家庭裁判所の調停委員も20年近く務めており、仕事柄この遺産分割を担当とすることが過半であり、守秘義務等業務に差し障りない範囲で触れたいと思います。
相続税の申告の有無に関わらず遺産分割に係る調停事件は増加しております。全国の家庭裁判所の遺産分割事件の件数は、平成8年に1万件を突破して以来、平成16年以降は1万2000件を超えています。昭和50年に比べると約3倍、昭和60年に比べると約2倍に達しています。
様々なケースがありますが、順番で親が先にあの世に還り、子供らがこの世に残るとなるとやはり兄弟(姉妹)間の争いが多数を占めることとなります。主としては財産に対しての価値観の違い(今は不動産より現預金が好まれる)や、兄弟(姉妹)間での長年抱いていた不公平感が相続に合わせてその感情が炸裂し、遺産分割で精算しようとする事の原因が多い気がしております。先に父親が亡くなっても母親が存命であれば抑えが効きますが、両親ともいないと中々厳しい・・・。
例えば、実家で商売を行っている場合おいて長男は大学に進学して跡を継がず、次男が高校を出て直ぐ父親の商売を手伝っており、十数年後長男が会社勤めに疲れて実家に戻り、急遽跡を継ぐと言い出し、社長に就任。爾後父親が亡くなったケースですが、これは次男が面白くなく「自分は大学も行かず商売を支えて来たのに突然・・・」、長男は「当然跡を継ぐのは長男の自分でしょう」と言った水面下の対立が、相続と共に争いが勃発するケースは儘あることです。
親としては子供の特性等を考慮し、その将来を案じ、平等に育てているつもりでありますが、その結果は各々異なって発現するため、その感情の溝は埋まらず、正しく「親の心子知らず」となることもあるものです。
こう言った争続を避けるには遺産分割においては下記の点が大切だと考えております。
- 公正証書遺言書の作成(遺留分に注意)
法的に問題なくドライに遺産分割をするには適しております。
- 相続人との対話
生前日頃からコミュニケーションがあれば問題は少なくなります。
- 被相続人の意志能力がある内に(成年後見制度・民事信託)
若年性痴呆症もあります。課題を先に伸ばさない様に。
- 相続時精算課税の活用
親の意思が生前に贈与により具現化されます。
以上四半世紀の経験から学んだことを書かせて頂きました。ご参考として頂ければ幸いです。
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